佐藤亜紀『ミノタウロス』
十九世紀末から二十世紀初頭、ロシア革命前後の南ウクライナを舞台とした長編小説。
2007年講談社から出版、第29回(2007年度)吉川英治文学新人賞受賞。その後、2017年Tamanoirの本による電子書籍、2021年9月、角川文庫の文庫版、電子書籍が新たに発売開始されました。
ロシア革命直後のウクライナ地方。成り上がり地主の次男坊ヴァシリの書物に耽溺した生活は、父の死後一変した。生き残るために、流れ者のドイツ兵らとともに略奪、殺戮を繰り返し、激動の時代を疾走する。
「ミノタウロス」 佐藤 亜紀[角川文庫] – KADOKAWA
『ミノタウロス』作品情報
それ以上に美しいのは、単純な力が単純に行使されることであり、それが何の制約もなしに行われることだ。こんなに単純な、こんなに簡単な、こんなに自然なことが、何だって今まで起らずに来たのだろう。誰だって銃さえあれば誰かの頭をぶち抜けるのに、徒党を組めば別な徒党をぶちのめし、血祭りに上げることができるのに、これほど自然で単純で簡単なことが、何故起こらずに来たのだろう。
佐藤亜紀『ミノタウロス』(角川文庫)Ⅴ p.221
人間を人間の格好にさせておくのは何か、ぼくは時々考えることがあった。
佐藤亜紀『ミノタウロス』(角川文庫)Ⅵ p.326
書誌情報
書名
- ミノタウロス
- ミノタウロス
- Минотавр
刊行年
- 講談社単行本 2007年5月
- 講談社文庫 2010年5月
- Tamanoirの本『ミノタウロス』 電子書籍 2017年
- KADOKAWA角川文庫『ミノタウロス』 文庫、電子書籍 2021年9月(底本 2005年文春文庫) 角川文庫化にあたり、加筆・修正、新たに解説(解説:石井千湖)
初出
「小説現代」2006年6月、7月、10月~12月号および2007年1~2月号(講談社)
受賞
- 第29回(2007年度)吉川英治文学新人賞
- 2007年 本の雑誌が選ぶノンジャンルのベスト10第1位
参考リンク
- ミノタウロス – 大蟻食の生活と意見
- 『ミノタウロス』が吉川英治文学新人賞を受賞 – 佐藤亜紀/大蟻食様ストーキングメモver.3『ミノタウロス』が吉川英治文学新人賞を受賞 – 佐藤亜紀/大蟻食様ストーキングメモver.3
- 沙漠に花が咲くこともある: 事実だけとは限りません(吉川英治文学新人賞受賞について)
- [B! ミノタウロス] yukattiのブックマーク
- 第29回吉川英治文学新人賞受賞のピカレスク小説――『ミノタウロス』著:佐藤 亜紀 文庫巻末解説 | カドブン
- 『ミノタウロス』(講談社) – 著者:佐藤 亜紀 – 豊崎 由美による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
- 「新刊採点」単行本班による『ミノタウロス』書評
講談社単行本『ミノタウロス』
書誌情報、装丁・装画
講談社文庫『ミノタウロス』
書誌情報、装丁・装画
- ミノタウロス (講談社): 2010|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
- ミノタウロス (講談社): 2010|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
- 『ミノタウロス』(佐藤 亜紀):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部(品切れ)
Tamanoirの本『ミノタウロス』
- 佐藤亜紀さんご自身による出版
- 2017年6月1日
- 各社版電子書籍
革命内戦下のウクライナ。地主の次男坊であったヴァシリは故郷を逐われ、軍閥化した諸勢力が跋扈する無法の巷に放り出される。
ミノタウロス – 大蟻食の生活と意見
角川文庫『ミノタウロス』(KADOKAWA)
2021年9月18日発売
第29回吉川英治文学新人賞受賞のピカレスク小説!
ロシア革命直後のウクライナ地方。成り上がり地主の次男坊ヴァシリの書物に耽溺した生活は、父の死後一変した。生き残るために、流れ者のドイツ兵らとともに略奪、殺戮を繰り返し、激動の時代を疾走する。
「ミノタウロス」 佐藤 亜紀[角川文庫] – KADOKAWA
詳細情報、カバーイラスト・カバーデザイン
- 著者:佐藤亜紀
- 発行:2020年9月18日(土)※電子書籍同日配信
- 文庫奥付:令和3年9月25日 初版発行
- 定価:1,298円(本体1,180円+税)
- 解説:石井千湖(書評家)
- カバーイラスト:サイトウユウスケ
- カバーデザイン:坂詰佳苗
- ページ数:352ページ
- 体裁:文庫
- 発行:株式会社KADOKAWA
- 底本:
- 講談社文庫『ミノタウロス』 2010年5月